隣接2項による漸化式
簡単な漸化式
数列の一般項が、
や
などの別の項の関数として表されている式を漸化式と呼ぶ。もしある漸化式が、
\begin{equation}
a_{n+1}=a_{n}+d
\end{equation}
の形で表せる場合、この数列は明らかに公差の等差数列である。
また、ある漸化式が
\begin{equation}
a_{n+1}=ra_n
\end{equation}
の形で表せる場合、この数列は明らかに公比の等比数列である。
隣接2項漸化式
では、漸化式が
で表される場合はどうなるか?すぐには解けないこのような問題を、上記の簡単な漸化式に帰着させ、一般項を求めるのが漸化式の解法である。
この漸化式を
の形に出来れば、新たな数列は公比
の等比数列になるので、式(1)をこの形に変形して、
の値を調べる。
特性方程式
そのために、まず目標となる式(2)を展開する。
\begin{equation}
a_{n+1}-x=p a_n-px
\end{equation}
さらに左辺のを右辺に移項する。
\begin{equation}
a_{n+1}=p a_n+x-px \tag{2'}
\end{equation}
これで式(1)と式(2')が同形になったので係数と定数項をそれぞれ比較する。
\begin{eqnarray}
b&=&p\\
c&=&x-px \tag{3}
\end{eqnarray}
式(3)中のに
を代入して移項する。
\begin{equation}
x=bx+c \tag{4}
\end{equation}
と
は既知なので、この方程式を
について解けばよい。
この式(4)をこの漸化式の特性方程式と呼ぶ。元の漸化式のと
を
に置き換えた形である。この方程式の解
を、もとの漸化式の両辺から引くことで、2項間漸化式を等比数列に変換できる。
例題
漸化式
\begin{eqnarray}
a_0&=&1\\
a_{n+1}&=&5a_n+8 \tag{5}
\end{eqnarray}
で与えられる数列の一般項を求めよ。
特性方程式はとなるので、移項して
、両辺を
で割って
と解ける。式(5)の両辺から
を引いて、
数列は初項
、公比5の等比数列であるため、
と表せ、目的の一般項
は
と表される。