薄い球殻の体積と直方体の体積
薄い球殻の体積を求めたい。
球殻は、中心を同じくする大きい球と小さい球とに挟まれた領域と言えるので、大きい球の半径を、小さい球の半径をとすると、体積は以下の式で表せる。
\begin{equation}
V=\frac{4}{3}\pi (r+dr)^3-\frac{4}{3}\pi r^3
\end{equation}
式を展開する。
\begin{eqnarray} \require{cancel}
V&=&\frac{4}{3}\pi (r+dr)^3-\frac{4}{3}\pi r^3\\
&=&\frac{4}{3}\pi(\cancel{r^3}+3r^2dr+3r dr^2+dr^3)-\cancel{\frac{4}{3}\pi r^3}
\end{eqnarray}
ここで球殻が薄いことはが小さいことと等価である。しかしこの時、やの項はさらに大幅に小さい値になるので無視できる。
\begin{eqnarray} \require{cancel}
V&=&\frac{4}{3}\pi(3r^2dr+\cancel{3r dr^2}+\cancel{dr^3})\\
&=&4 \pi r^2 dr
\end{eqnarray}
結局この値は円の表面積を底面とし、球殻の厚さを高さとする直方体の体積と等しい。球が大きく、球殻が薄いほどこの近似は正確になっていく。