A4の宇宙

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

2018-12-01から1ヶ月間の記事一覧

ダランベールの収束判定法

概要 ある数列を考えたとき、その級数(=無限和)は無限大に発散するのか、それともある値に収束するのかを確認したい。どうすればよいか? \begin{eqnarray}\sum_{k=1}^{\infty}a_n\end{eqnarray} 結論から言えば、数列が以下の条件を満たすとき、級数はどこ…

等躍度運動で分かるテイラー展開

テイラー展開の性質 無限回微分可能な任意の関数を、ある点の近傍では下記のようなべき級数で表してよい。これをテイラー展開と呼ぶ。 \begin{eqnarray}f(x)&=&f(a)+f'(a)(x-a)+\frac{1}{2!} f''(a)(x-a)^2+\frac{1}{3!}f'''(a)(x-a)^3+\cdots\\&=& \sum_{k=…

等躍度運動

等加速度運動 以前、空気抵抗を無視した自由落下運動、すなわち等加速度運動について書いた。 例えば宇宙空間でロケットを操縦しているとき、フットペダルを一定量踏めば、ブースターが一定の推力を発揮し、ロケットはすなわちの加速度で等加速度運動するだ…

三平方の定理の証明

三平方の定理(ピタゴラスの定理)を証明する。 すなわち、上図のような直角三角形を考えたとき、 \begin{equation}a^2+b^2=c^2\end{equation} が成り立つことを示す。 証明 合同な直角三角形を下図のように4つ配置した場合を考える。 ここで大きな四角形は、…

自由落下運動 - 空気抵抗有無の比較2

特殊解(再掲) 前回計算した速度と位置の特殊解(で)を再度書く。 ここでは落下物の速度、は位置、は重力加速度、は時間、は空気抵抗係数、は落下物の質量、は任意定数である。いずれも上方向(重力と逆方向)をとしていることに注意。 空気抵抗なし 速度 \begin…

自由落下運動 - 空気抵抗有無の比較1

これまでに導いた空気抵抗無しと有りの2つの自由落下運動を比較してみよう。導いた一般解を再度書き出す。 ここでは落下物の速度、は位置、は重力加速度、は時間、は空気抵抗係数、は落下物の質量、は任意定数である。いずれも上方向(重力と逆方向)をとして…

自由落下運動 空気抵抗あり2

速度の一般解(再掲) 前回、空気抵抗があるときの自由落下速度の一般解を求めた。 \begin{equation}v=C_1\exp{\left(-\frac{kt}{m}\right)}-\frac{mg}{k}\end{equation} ここでは任意定数、は空気抵抗係数、は時間、は落下する物体の質量、は重力加速度であっ…