A4の宇宙

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

数列

オイラーの公式

概要 これまでにとのマクローリン展開を導出してきた。 のマクローリン展開\begin{eqnarray}\displaystyle \sin x=x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\frac{1}{7!}x^7+\cdots\end{eqnarray} のマクローリン展開 \begin{eqnarray}\displaystyle \cos x=1-\fr…

e^xのマクローリン展開

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&e^x\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \begin{…

cos xのマクローリン展開

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&-\sin x\\f'(0)&=&0\\\end{eqnarray} 二階微分 \be…

sin xのマクローリン展開

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&\cos x\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \beg…

交代調和級数の収束判定

概要 調和級数の正負が1項ごとに入れ替わる、交代調和級数の収束判定を行う。 全項がプラスの調和級数は無限大に発散してしまったが、これは半分の項がマイナスなので、より収束しやすい級数と言える。 導出 足し合わされる数列の一般項をと書き、級数を代数…

ln(x+1)のマクローリン展開と収束半径 その2

概要 前回に続いて、のマクローリン展開(を基準としたテイラー展開)を計算する。 をマクローリン展開すると以下のようなべき級数で表せることを前回示した。 \begin{eqnarray}f(x)&=&x-\frac{1}{2}x^2+\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{4}x^4+\cdots\\&=&\sum_{n=1}^…

収束半径の導出

概要 ダランベールの収束判定法を使ってテイラー展開の収束半径を計算する。 ダランベールの収束判定法(再掲) 級数が収束するかどうか、以下の式で判定できる。 足し合わされる数列が以下の条件を満たすとき、級数は収束する。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to …

ln(x+1)のマクローリン展開と収束半径 その1

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を用いて、収束半径の概念を説明する。 導出 を基準にしてのテイラー展開を行う。 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{e…

収束判定の例題

例題 を収束判定し、収束するならその値を求める。 この足し合わされる数列はでいきなり無限大に発散してしまうのでからの和とした。

調和級数の収束判定

の無限和、が収束するか考える。この無限和は調和級数と呼ばれる。 この数列は、明らかにを増加させるとだんだん小さくなっていくが、項を無限に足したら発散するかも知れない。 ダランベールの判定法 まずダランベールの判定法で収束するかを判定してみる。…

ダランベールの収束判定法

概要 ある数列を考えたとき、その級数(=無限和)は無限大に発散するのか、それともある値に収束するのかを確認したい。どうすればよいか? \begin{eqnarray}\sum_{k=1}^{\infty}a_n\end{eqnarray} 結論から言えば、数列が以下の条件を満たすとき、級数はどこ…

等躍度運動で分かるテイラー展開

テイラー展開の性質 無限回微分可能な任意の関数を、ある点の近傍では下記のようなべき級数で表してよい。これをテイラー展開と呼ぶ。 \begin{eqnarray}f(x)&=&f(a)+f'(a)(x-a)+\frac{1}{2!} f''(a)(x-a)^2+\frac{1}{3!}f'''(a)(x-a)^3+\cdots\\&=& \sum_{k=…

三項漸化式 特性方程式の解が複素数の場合

例題 以下の漸化式を特性方程式を用いて解き、を閉じた式で表す。 \begin{eqnarray}a_{n+2}&=&2a_{n+1}-2a_n\\a_0&=&3\\a_1&=&5\end{eqnarray}特性方程式は以下の形になる。 \begin{eqnarray}x^2-2x+2=0\end{eqnarray} 2次関数の解の公式を用いて特性方程式…

フィボナッチ数列の一般項

以下の漸化式で表される数列をフィボナッチ数列と呼ぶ。特性方程式を用いて、フィボナッチ数列の一般項を求める。 \begin{eqnarray}F_{n+2}&=&F_{n+1}+F_{n}\\F_0&=&0\\F_1&=&1\\\end{eqnarray} この漸化式の特性方程式を作るととなる。因数分解は容易でない…

三項漸化式 特性方程式が重解を持つ場合

特性方程式とは何か? a4.hateblo.jp こちらを参照 特性方程式が重解を持つ場合 特性方程式が重解を持つ場合等比数列の式が一つしかないので、差を取ってを削除する手法は使えない。 これを別の方法で解く。まず特性方程式の解を両方ともと書く。 \begin{eqn…

三項漸化式 - 特性方程式が2つの解を持つ場合

特性方程式とは何か? こちらを参照。 解がの場合 式(2)と式(3)の漸化式を等比数列に変形する。初項と次の項をそれぞれとした。 \begin{eqnarray}a_{n+1} -p a_{n} &=& q^n(a_{1} -p a_{0}) \tag{4}\\a_{n+1} -q a_{n} &=& p^n(a_{1} -q a_{0}) \tag{5}\end{…

三項漸化式の特性方程式

以下のような形の三項間漸化式を解く。すなわち一般項を閉じた形で表す。 \begin{equation}a_{n+2} = ba_{n+1}+ca_n \tag{1}\end{equation} そのために式(1)を変形し、以下のような形にしたい。 \begin{equation}a_{n+2} -p a_{n+1} = q(a_{n+1}-p a_n) \tag…

等比数列の和

等比数列 等比数列の一般項は、初項を、公比をとして、 \begin{equation} a_n=r^na_0 \end{equation} と表せる。 (与えられた初項がだったらで割ってを作っておこう。が初項だとの指数がになって面倒なので) 等比数列の和 この数列をからまで足した値はいく…

隣接2項による漸化式

簡単な漸化式 数列の一般項が、やなどの別の項の関数として表されている式を漸化式と呼ぶ。もしある漸化式が、 \begin{equation}a_{n+1}=a_{n}+d\end{equation} の形で表せる場合、この数列は明らかに公差の等差数列である。 また、ある漸化式が \begin{equa…

等差数列の和

等差数列 等差数列の一般項は、を初項、を公差として、\begin{equation}a_n=a_0+nd\end{equation} の形で表せる。 (与えられた初項がだったらを引いてを作っておこう。が初項だとの係数がになって面倒なので) 等差数列の和 この数列をからまで足した値はいく…

フィボナッチ数列の和

フィボナッチ数列 以下の数列をフィボナッチ数列と呼ぶ。 \begin{eqnarray}F_0&=&0\\F_1&=&1\\F_n&=&F_{n-1}+F_{n-2}\end{eqnarray} すなわちは直前2項の和となる。実際に計算してみる。 \begin{eqnarray}F_2&=&F_0+F_1=0+1=1\\F_3&=&F_1+F_2=1+1=2\\F_4&=&1…