三項漸化式 特性方程式が重解を持つ場合
特性方程式とは何か?
こちらを参照
特性方程式が重解を持つ場合
特性方程式が重解を持つ場合等比数列の式が一つしかないので、差を取ってを削除する手法は使えない。
これを別の方法で解く。まず特性方程式の解を両方ともと書く。
\begin{eqnarray}
a_{n+1} -p a_{n} = p^n(a_{1} -p a_{0})
\end{eqnarray}
両辺をで割る。
\begin{eqnarray}
\frac{a_{n+1}}{p^{n+1}} -\frac{p a_{n}}{{p^{n+1}}} = \frac{1}{p}(a_{1} -p a_{0})
\end{eqnarray}
式を整理する。
\begin{eqnarray}
\frac{a_{n+1}}{p^{n+1}} -\frac{a_{n}}{{p^{n}}} = \frac{a_1}{p}-a_{0}
\end{eqnarray}
この式は、新たな数列が、公差、初項の等差数列になっていることを示している。
すなわち、以下のように書ける。
\begin{equation}
\frac{a_n}{p^n}=a_0+n\left(\frac{a_1}{p}-a_0\right)
\end{equation}
両辺にを掛ける。
\begin{equation}
\underline{{a_n}=p^n\left\{a_0+n\left(\frac{a_1}{p}-a_0\right)\right\}}
\end{equation}
一般項が求められた。
テストで解くときには等比数列の段階で数値を代入した方が計算が楽である。
例題
次の漸化式を解く。
\begin{eqnarray}
a_{n+2}&=&6a_{n+1}-9a_n\\
a_0&=&2\\
a_1&=&5
\end{eqnarray}
特性方程式はで、この方程式はと因数分解できるので、が重解となる。
漸化式を等比数列に変換し、との値を代入する。
\begin{equation}
a_{n+1}-3a_n=3^n(5-3\cdot2)
\end{equation}
両辺をで割る。
\begin{equation}
\frac{a_{n+1}}{3^{n+1}}-\frac{3a_n}{3^{n+1}}=\frac{3^n(-1)}{3^{n+1}}
\end{equation}
計算を進める。
\begin{equation}
\frac{a_{n+1}}{3^{n+1}}-\frac{a_n}{3^{n}}=-\frac{1}{3}
\end{equation}
新たな等差数列に変換する。初項はである。
\begin{equation}
\frac{a_n}{3^n}={2}+n\frac{(-1)}{3}
\end{equation}
両辺にをかける。
\begin{equation}
\underline{{a_n}=3^n\left({2}-\frac{n}{3}\right)}
\end{equation}
一般項が求められた。
検算
漸化式から
\begin{eqnarray}
a_0&=&2\\
a_1&=&5\\
a_2&=&6\cdot5-9\cdot2=30-18=12\\
a_3&=&6\cdot12-9\cdot5=72-45=27
\end{eqnarray}
一般項から
\begin{eqnarray}
a_0&=&3^0\left( 2-\frac{0}{3}\right)=1\cdot2=2\\
a_1&=&3^1\left( 2-\frac{1}{3}\right)=3\cdot\frac{5}{3}=5\\
a_2&=&3^2\left( 2-\frac{2}{3}\right)=9\cdot\frac{4}{3}=12\\
a_3&=&3^3\left( 2-\frac{3}{3}\right)=27\cdot1=27\\
\end{eqnarray}
からまでが合っていることを確かめられた。