A4の宇宙

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

三項漸化式の特性方程式

以下のような形の三項間漸化式を解く。すなわち一般項 a_nを閉じた形で表す。

\begin{equation}
a_{n+2} = ba_{n+1}+ca_n \tag{1}
\end{equation}

 

そのために式(1)を変形し、以下のような形にしたい。

\begin{equation}
a_{n+2} -p a_{n+1} = q(a_{n+1}-p a_n) \tag{2}
\end{equation}

そうすれば、新たな数列 a_{n+1}-p a_{n}は公比q等比数列になるためである。

 

式(2)の右辺を展開する。

\begin{equation}
a_{n+2} -p a_{n+1} = q a_{n+1}-p q a_n
\end{equation}

 

a_{n+1}の項を右辺に移項する。

\begin{equation}
a_{n+2}  = p a_{n+1}+q a_{n+1}-p q a_n
\end{equation}

 

a_{n+1}でくくる。

\begin{equation}
a_{n+2}  = (p+q)a_{n+1}-pqa_n \tag{2'}
\end{equation}

 

これで式(1)と式(2')は同形となった。a_{n+1}a_nの係数を比較すると、

\begin{eqnarray}
b&=&p+q\\
c&=&-pq
\end{eqnarray}である。ここで、bcは与えられていて、pqを求めたい。どうすればよいか?

 

ここで新しく方程式 x^2-bx-c=0を考える。bcに対してpqを代入すると、

\begin{equation}
x^2-(p+q)x+pq=0
\end{equation} 

 この式の左辺は

\begin{equation}
(x-p)(x-q)=0
\end{equation}

因数分解できるので、x=p, x=qの2つの解を持つ。

 

つまり、pqを知るためには、bcを用いた2次方程式 x^2-bx-c=0を解けばよいのである。この方程式を隣接2項による漸化式の時と同様に特性方程式と呼ぶ。

 

また、pqは対称であるので、どちらを公比にしても問題ない。

\begin{equation}
a_{n+2} -p a_{n+1} = q(a_{n+1}-p a_n) \tag{2}
\end{equation}

からpqを入れ替えた

\begin{equation}
a_{n+2} -q a_{n+1} = p(a_{n+1}-q a_n) \tag{3}
\end{equation}

もまた成り立つのである。ここからは特性方程式が持つ解の形で2パターンに分かれる。

 

すなわち特性方程式が、

  1. 異なる2つの解を持つ場合
  2. 重解を持つ場合

の2パターンである。(特性方程式の解が2つの複素数になっても項目1に含める)