A4の宇宙

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

電子の平均自由行程

概要 動き回る物体が、別の物体と2回衝突する間に平均して進める距離のことを平均自由行程と呼ぶ。前回、濃厚接触の発生回数を人間の2次元平均自由行程から導いた。 多くの場合、平均自由行程は3次元空間と粒子で考えられ、飛行する粒子の平均自由行程は、気…

コロナの抑止には自粛が何割必要か

概要 新型コロナウィルスCOVID19の発生に伴い、国内でも外出禁止要請が出されている。人と人との濃厚接触を8割減らせばコロナの蔓延を防げるというが、人の外出も8割減らす必要があるのだろうか?接触の回数を式で表し、人の外出を55%減らせば目的を達成でき…

運動エネルギーの定義が(1/2)mv^2なのはなぜか

概要 運動エネルギーは以下のように定義されている。 \begin{eqnarray}K=\frac{1}{2}mv^2\end{eqnarray} この式はある物体の運動エネルギーが、その質量と速度の2乗に比例することを表す。しかし、係数としてが掛かっている。を運動エネルギーの定義としなか…

指数の基数を変換する

概要 のような指数関数があるとき、基数を好きな数に変換したいことがしばしばある。 一例として、任意の基数を持つ指数関数を微分するために基数をネイピア数に変換したり、逆に変数分離法の微分方程式の解として現れたを目的の基数を持つ指数関数に変換し…

対数の底を変換する

概要 のような対数関数があるとき、底を好きな数に変換したいことがしばしばある。 一例として、任意の底を持つ対数関数を微分するために底をに変換したり、逆にを積分するなどして現れた自然対数を目的の底を持つ対数に変換したりすることが挙げられる。こ…

半減期を微分方程式で表す その2

概要 前回、放射性物質の個数を表す微分方程式を導いた。微分方程式を解いて放射性物質が減っていく様子を式で表す。 式 解きたい微分方程式をもう一度書く。 \begin{eqnarray}\frac{dN(t)}{dt}=-\lambda N(t)\end{eqnarray} 変数分離法で解く。として、両辺…

半減期を微分方程式で表す その1

概要 放射性原子が崩壊して残りの個数が減っていく様子を微分方程式から導き、半減期の概念を理解する。今回は解きたい微分方程式を作るところまで説明する。 考え方 放射性原子は全ての時刻でランダムに一定確率で崩壊する、この「一定確率で減っていく」こ…

C14年代測定を式で表す

概要 土中から発掘された遺跡や化石が何年前のものなのか分析するための手法、年代測定を式で示す。 原理 炭素の放射性同位体は宇宙線により毎年生産され、同時にβ崩壊により毎年消滅している。これらの平衡により地球上の炭素原子に占めるの割合はに保たれ…

バーゼル問題

概要 次ゼータ関数の収束判定を行いたい。これまでには無限大に発散し、は2よりも小さい数に収束することを示してきた。 が実際いくつに収束するのかを求める。以下にを書き下しておく。 \begin{eqnarray} \zeta(2)&=&\sum_{k=1}^{\infty}\frac{1}{k^2}\ &=&…

マクスウェル方程式を導く準備

マクスウェル方程式とは 電磁気に関する実験的事実をスタートとして、論理的考察(電場と磁場)を加え、微分方程式で表したもの。 4つの実験的事実が4つの方程式で表される。マクスウェル方程式を解くことで、電磁波の存在や、光もまた電磁波であることなどの…

一次元の熱方程式を導く

概要 十分細く、一次元とみなせる針金の温度分布と、その経時変化を考えたい。まず解くべき微分方程式を導出する。 針金上の座標を、時間を、温度をとする。 また、熱の流れを考える。 導出 熱の流れについての式 熱の流れは温度の勾配に比例する。(フーリエ…

円の面積の導出

概要 以前、弧の長さを用いて導出した等式、を用いて、半径を持つ円の面積を導出する。 導出 半径の円に内接する正角形と円に外接する正角形を考える。の場合を図に示す。 下図のように、円と正角形をを等分して考える。 まず二つの直角三角形と切り取られる…

x が0に近い時のsin x の性質 弧の長さを用いる方法

循環論法 以前、扇型の面積を挟み打ちしてを導出した。この手法は分かりやすいが、実は循環論法の問題がある。 半径を持つ円の面積がであることは定義されたことや自明なことではない。証明するには三角関数の積分が必要であり、その際に既にを知っている必…

Markdown記法の練習&メモ

Markdownルールの概要 はてなブログではMarkdown記法が使用できる。HTMLコードの代わりに、特定のコマンド文字を使って文を簡単にマークアップする記法である。 コマンド文字自体はブログに表示されないが、直前にスラッシュ\をつけるとコマンド文字をそのま…

余弦定理の証明(鈍角に対向する辺の場合)

概要 任意のにおいて、角に対向する辺の長さをを用いて表し、以下に表される余弦定理を証明する。 \begin{eqnarray}c^2=a^2+b^2-2ab \cos C\end{eqnarray} 導出 が鋭角の場合を前回やったので、今回は図のように、鈍角の場合を考える。 点から辺に垂線を引き…

余弦定理の証明(鋭角に対向する辺の場合)

概要 任意のにおいて、角に対向する辺の長さをを用いて表し、以下に表される余弦定理を証明する。 \begin{eqnarray}c^2=a^2+b^2-2ab \cos C\end{eqnarray} 導出 今回は図のように、が鋭角の場合を考える。 点から辺に垂線を引き、補助線とする。交点をとする…

xが0に近い時のsin xの性質、面積を用いる方法

概要 図のように、半径の円(緑)と、二つの直角三角形(青、赤)を考える。これらの直角三角形と、切り取られる扇形の面積を比較して、三角関数の微分に必要なを導出する。 導出 まず二つの直角三角形と切り取られる扇形の面積を、円の半径と中心角を用いて表す…

xが0に近い時のsin xの性質 マクローリン展開を用いる方法

導出 以前導出したのマクローリン展開を書き下す。このマクローリン展開は無限の収束半径を持ち、本質的にと等しいのであった。 \begin{eqnarray} \sin x = x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\frac{1}{7!}x^7+\cdots \end{eqnarray} として両辺をで割る。 …

民主主義は三択に弱い

背景 最近ブレグジット問題がアツい。イギリスがEU離脱を決定したものの、その離脱プロセスが決まらず、締め切りだけが迫っている状況なのだ。 締め切りが来ると何も決まってないのに強制的にEU離脱となって大混乱を招くという。一体何故こんなことになって…

指数表記された三角関数の手触りを確かめる

前回までに、オイラーの公式を用いて三角関数を指数関数形式で表せることを示した。 この形式でも三角関数としての性質が保たれていることを、いくつかの代表的な性質から確認する。 との指数関数表記を再度書く。 \begin{eqnarray}\sin x&=&\frac{e^{ix}-e^…

オイラーの公式から導かれる三角関数の記法

概要 オイラーの公式を受け入れると三角関数を別の形式で表せる。 導出 オイラーの公式を再度書く。 \begin{eqnarray}e^{ix}=\cos x+i\sin x\end{eqnarray} 式中のをに置き換えてみる。 \begin{eqnarray}e^{-ix}&=&\cos (-x)+i\sin (-x)\\&=&\cos x-i\sin x\…

オイラーの公式

概要 これまでにとのマクローリン展開を導出してきた。 のマクローリン展開\begin{eqnarray}\displaystyle \sin x=x-\frac{1}{3!}x^3+\frac{1}{5!}x^5-\frac{1}{7!}x^7+\cdots\end{eqnarray} のマクローリン展開 \begin{eqnarray}\displaystyle \cos x=1-\fr…

e^xのマクローリン展開

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&e^x\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \begin{…

cos xのマクローリン展開

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&-\sin x\\f'(0)&=&0\\\end{eqnarray} 二階微分 \be…

sin xのマクローリン展開

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を行う。 導出 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{eqnarray}f'(x)&=&\cos x\\f'(0)&=&1\\\end{eqnarray} 二階微分 \beg…

交代調和級数の収束判定

概要 調和級数の正負が1項ごとに入れ替わる、交代調和級数の収束判定を行う。 全項がプラスの調和級数は無限大に発散してしまったが、これは半分の項がマイナスなので、より収束しやすい級数と言える。 導出 足し合わされる数列の一般項をと書き、級数を代数…

ln(x+1)のマクローリン展開と収束半径 その2

概要 前回に続いて、のマクローリン展開(を基準としたテイラー展開)を計算する。 をマクローリン展開すると以下のようなべき級数で表せることを前回示した。 \begin{eqnarray}f(x)&=&x-\frac{1}{2}x^2+\frac{1}{3}x^3-\frac{1}{4}x^4+\cdots\\&=&\sum_{n=1}^…

収束半径の導出

概要 ダランベールの収束判定法を使ってテイラー展開の収束半径を計算する。 ダランベールの収束判定法(再掲) 級数が収束するかどうか、以下の式で判定できる。 足し合わされる数列が以下の条件を満たすとき、級数は収束する。 \begin{eqnarray}\lim_{n \to …

ln(x+1)のマクローリン展開と収束半径 その1

概要 基準点をとしたテイラー展開は特に有用なことがあり、マクローリン展開と呼ばれる。のマクローリン展開を用いて、収束半径の概念を説明する。 導出 を基準にしてのテイラー展開を行う。 を微分してを代入し、を求める。 まずである。 一階微分 \begin{e…

収束判定の例題

例題 を収束判定し、収束するならその値を求める。 この足し合わされる数列はでいきなり無限大に発散してしまうのでからの和とした。