A4の宇宙

数学と物理をA4ノートに収まる範囲で。

対数の底を変換する

概要

 y=\log_a xのような対数関数があるとき、底 aを好きな数に変換したいことがしばしばある。

 

一例として、任意の底を持つ対数関数を微分するために底をeに変換したり、逆に \displaystyle \frac{1}{x}積分するなどして現れた自然対数 \lnを目的の底を持つ対数に変換したりすることが挙げられる。この方法を導く。

 

導出

以下の対数関数の底 a bに変換したいとする。

\begin{eqnarray}
y= \log_a x
\end{eqnarray}

 

指数関数として書き直す。

\begin{eqnarray}
a^y= x
\end{eqnarray}

 

両辺の \log_bをとり、対数関数の性質を用いて変形する。

\begin{eqnarray}
\log_b a^y= \log_b x\\
y\log_b a= \log_b x
\end{eqnarray}

 

 yについて整理する。

\begin{eqnarray}
y= \frac{\log_b x}{\log_b a}
\end{eqnarray}

 

 y= \log_a xを代入する。

\begin{eqnarray}
\log_a x = \frac{\log_b x}{\log_b a}
\end{eqnarray}

対数関数の底を aから bに変換できた。

 

ここで右辺分母の \log_b aはある定数になっていることに注意。これはすべての対数関数は、定数を掛けるだけで底を相互に変換できることを意味する。