対数関数の微分
\begin{equation}
y'=\lim_{h \to 0} \frac{\log_{a} {(x+h)}-\log_a x}{h}
\end{equation}
ここから対数関数の性質を用いて式を変形していく。
\begin{eqnarray}
y'&=&\lim_{h \to 0} \frac{\log_a \left( \frac{x+h}{x} \right)}{h}\\
&=&\lim_{h \to 0} \frac{\log_a \left( 1+\frac{h}{x} \right)}{h}\\
&=&\lim_{h \to 0} \log_a \left( 1+\frac{h}{x} \right)^{\frac{1}{h}}
\end{eqnarray}
ここで新たな変数を導入し、を消去する。と書ける。また、のときである。
\begin{eqnarray}
y'&=&\lim_{t \to 0} \log_a \left( 1+t \right)^{\frac{1}{tx}}\\
&=&\lim_{t \to 0} \frac{1}{x} \log_a \left( 1+t \right)^{\frac{1}{t}}\\
&=& \frac{1}{x} \lim_{t \to 0} \log_a \left( 1+t \right)^{\frac{1}{t}}\\
\end{eqnarray}
対数の性質を用いてをの外に出せた。
すなわち、はに何らかの係数がかかった形になる。もし、この係数 が1に等しければ、とシンプルに書けるのでうれしい。
係数 が成り立つのは、対数の底と真数が等しい時、すなわちの時である。実際にエクセル等で右辺を計算すると、という一つの無理数に収束する。
つまり対数の底がの時、係数は1となり、と書ける。この時の底をネイピア数と呼ぶ。
また、を底とする対数を自然対数と呼び、を省略してと書いてもよい。
任意の底を持つ対数関数の微分
対数の底の変換を用いれば、以外の底を持つ対数関数の微分も可能になる。もう一度の微分を考える。
\begin{eqnarray}
y&=&\log_a x\\
a^y&=&x\\
\end{eqnarray}
指数関数として書き直した。
両辺の自然対数を取ると、
\begin{eqnarray}
\ln {a^y}&=&\ln {x}\\
y\ln {a}&=&\ln {x}\\
y&=&\frac{\ln {x}}{\ln {a}}\\
\end{eqnarray}
の底をに変換出来た。
\begin{eqnarray}
y'&=&\frac{1}{\ln {a}}(\ln x)'\\
&=&\underline{\frac{1}{x\ln a}}
\end{eqnarray}
任意の底を持つ対数関数も微分できた。